24.人は周りの環境に影響される

※この話は、実話をもとにしたフィクションであり、全てにおいてオリジナルな世界観になっています。

よろしくお願いします。

 

   ━━本編━━

 僕は、自宅のパソコンを使いインターネットでトライアスロンについて調べていました。

この頃の、インターネットは64kbpsが、最大のISDN回線でした。

なので、今と違って主に静止画(写真を見てました。)

動画は重くて見なかったです。(いちよう見れる。)

 

 

話を戻して・・・・・

 

 僕達は全員、定期的に仕事が終わってから夜に隣町の公共施設「隣国海洋プール」で、閉館まで練習をし続けていました。

特に唯コーチは、いつものスイミングクラブが職場で、レッスン以外での生徒へのコーチは、禁止されていました。

当然のことで、唯コーチもスイミングクラブの社員で、レッスン以外にも業務もあるし、時間外でスイミングクラブ内で唯コーチを入れたチーム練習は、出来ませんでした。

その為、僕達は隣町にある公共施設「隣国海洋プール」で、唯コーチを含めてチーム練習を定期的にしていました。

 

━公共施設「隣国海洋プール」にて

 

唯コーチを含めた練習後。

プールの待合室で僕は、トライアスロンについて調べた事を、みんなに話します。

 

僕「トライアスロンについて少し調べてみたよ。」

中野「お!さすがリーダー!盛り上がってくるじゃないの!」

糸川さん「トライアスロンって過酷だよね・・・そんなイメージかな。」

唯コーチ「長距離もあるみたいだけど、現在はオリンピック種目になってますから、51.5kmみたいですよ。」

 

トライアスロンは、1974年のアメリカで初めて競技が開催され、現在よりも短い距離だったみたいです。

水泳457m、自転車ロードレース8km、ランニング9.7kmの3種目を連続して行ったのが始めてのようです。

起源としては、それよりもまだ古い競技もあったようですが、取り敢えず最初は1974年が初めてのようです。

 

1977年に、アメリカ海軍の軍人が、遠泳と自転車ロードレースとマラソンの過酷さを議論しあって、全部まとめてやろう!と言う事になり、次の年に開催されたトライアスロンの最長距離225.995kmの、アイアンマントライアスロンが始まったみたいです(ロング・ディスタンス)

この距離が過酷な持久系スポーツのイメージを作ったみたいです。

 

その後、1982年アメリカでのトライアスロンで水泳(スイム)1.5km、自転車ロードレース(バイク)40km、ランニング(ラン)10kmの合計51.5kmという規格設定がされたようです。

これが、世界に広がり、これがオリンピックにも採用されたようです。

 

世界のトライアスロンの8割は、この51.5kmのオリンピック・ディスタンスで開催されています。

 

僕「説明に疲れましたわ〜」

中野「説明文的な話し方で、堅苦しかったな・・」 

 

あまり事、細かく説明すると、その後の話に影響する為、この辺りにしておきます。

 

中野「まあ、そういうことで俺達が目指そうとしている島の国トライアスロンは、51.5kmのオリンピック・ディスタンスだな。」

僕「僕達には、ちょうど良い感じだね。」

唯コーチ「ショートコースとも、呼ばれてますよ。」

糸川さん「へぇ〜何となくわかりました。」

 

唯コーチ「そうそう海さん昨日、岬さんがスイミングクラブに来てて聞いてみましたよ。」

僕「ほんと!ありがとう。なんて言ってた?」

唯コーチ「岬さん、明日の中級者水泳教室に参加してくれるそうで、後で話をしてくれるみたいですよ。」

中野「え?岬さんが中級者水泳教室に参加って?レベル違いすぎない??何故だ?」

糸川さん「唯コーチに、教えて貰いたいじゃないかな??」

唯コーチ「糸川さん正解です!そう言ってました。なんかテレますね・・・」

僕「やっぱりさぁ、岬さんは唯コーチの実力を認めたって事じゃないかな?」

糸川さん「そうですよね!あれだけ激闘したしね!」

 

唯コーチ「みんなとも、泳いでみ たいと話してましたよ。私達のチーム。気に入ってくれたみたいです。」

中野「じゃあ、俺達のチームに来てくれたらいいのにな。」

唯コーチ「岬さんは、自分達のチームがあるから、無理みたいですよ。」

 

僕「でも、有名人に気に入られたから、僕達は凄いんじゃないかな。」

糸川さん「ほんとだ!でも、楽しみ!」

唯コーチ「なので、明日の私の教室に、みんな来てくださいね!」

一同「はーい!」と、言うことで解散となりました。

 

 

━━蟹マスターズ大会が終わってから、僕達は週一回、「隣国海洋プール」へ定期的にチーム練習をしていました。ここのスタッフとは顔見知りになりました。

 

 

━━翌日のスイミングクラブ━

     中級者水泳教室━━

 

 今日は、唯コーチの中級者水泳教室の日です。

 

参加者は・・・

男性・・・

20代 近江 海(僕)

20代 中野 直也

工務店社長50代 黒田さん

雑貨屋50代 市松さん

元ロードバイク乗り60代 大原さん

毎回2000m泳ぐ50代 白川さん

魚屋の50代 白石さん

 

女性・・・

20代 糸川陽子さん

20代 岬 智子さん

50代 花田さん

60代 藤田さん

60代 井ノ神さん

・・・の12名という、ここのスイミングクラブの教室にしては今日は、大人数です。

 

唯コーチ「皆さん、こんばんは!」

一同「こんばんわ〜」

唯コーチ「元気で、いいですね!」

60代藤田さん「今日は大人数ね。」

60代井ノ神さん「たまには、いいわね。」

みんな整列しています。

唯コーチ「今日は、トライアスロンをされている岬 智子さんがレッスンに入られます。」

岬さんが、礼をします。

唯コーチ「はい!はくしゅー」パチパチパチッ〜と唯コーチが先に拍手をすると。

一同が、パチパチパチパチパチパチ〜と拍手をします。

 

60代藤田さん「相変わらず唯コーチは、明るいわね。」

60代井ノ神さん「若いっていいわね。」

岬さん「皆さん、よろしくお願いします。」

60代大原さん「わりと、愛想がええじゃないか!はっはっはっはっ」

50代花田さん「あら、かわいい子ね!」

60代井ノ神さん「しかも、細いわね〜いいわね〜」

岬さんが照れくさそうにしています。

 

工務店社長 黒田さん「でも、泳力が高いから中級者水泳教室は、むかないんじゃないの?」

岬さん「私、スイムがもっと速くなりたくて、私よりも速い唯コーチに教えてもらおうと思いました。」

雑貨屋市松さん「なら海くん達のチームに入った方が、いいんじゃない?」

中野「岬さんは、トライアスロンチームに入っていて、そこで日々練習しているから、俺達のチームには入れないんですよ。」

50代白川さん「ほう、なるほど」

50代白石さん「まっよろしくね!」

岬さん「はい!」

 

唯コーチ「早速、アップから始めますね!」

 

先頭は、やはり僕・・・

僕「岬さん速いから先頭の方がよくない?」

岬さん「いえ!周りに合わせる技術も必要なので、後ろでいいです。」

唯コーチ「ゆっくり行ける技術も、また練習なんですよ。」

僕「なるほどね!」

 

早速、スタートです。

僕は、少し急かされますが、クロールでマイペースで泳ぎだしました。

先頭は、水を掻きわけないといけないから大変です。

ターンは、クイックターンをします。

50mずつで立ち上がり、全員帰ってきてから、またスタートをします。

 

全部で4周回。200mを泳ぎます。

 

アップが終わると、全員プールのレーンに整列します。

 

唯コーチ「では、今日はクロールをしていきたいと思います。」

 

・・・そして、唯コーチの教室は半分20分を過ぎました。

 

唯コーチ「では、1周水中ウォーキングしましょう。」

中間休憩で全員で50m、歩きます。

 

僕「岬さん、物足りないんじゃない?」

岬さん「そうですね。でも、ゆっくり出来て楽しいですよ。」

工務店社長・黒田さん「岬さんのチームは若い人しかいないんじゃない。ここはなかなか新鮮だよね。」

岬さん「20代30代ばかりです。でも、唯コーチの教室は優しく教えてくれて、海さんのチームが蟹マスターズで、凄いポテンシャルを見せたのには納得がいきます。私のチームは、わりとガシガシ練習しているから、ついていけない人はメンバーから離れていきますね。」

中野「岬さんのチームは優勝するくらいだからな。ついていけないと、そうなるんだろね。」

岬さん「合わない人はいなくなります。」

僕「なかなかシビアだね。」

糸川さん「私達のチームは半分は、素人です。まったりとした雰囲気ですよ。」

岬さん「半分という事は、玄人もいるんですか?」

60代井ノ神さん「知らないのかい?唯コーチは学生時代に、学生の日本選手権優勝した人よ。」「男子より速かったらしいわよ。今じゃ知られてないけどねぇ。」

雑貨屋の市松さん「この中野くんは空手の学生日本選手権優勝した凄腕だよ。秒殺してたらしいんだけどね。」「まあ、水泳とはジャンルは違うけどね。」

 

岬さん「えっ!凄いじゃないですか?」

僕「僕と糸川さんは、素人ですよ。」

中野「水泳は、空手と違って別の過酷さがあるよ。年齢問わず、みんなと知り合って楽しいよ。」

唯コーチ「私も、皆さんと知り合えて、よかったです。」

60代井ノ神さん「あら、照れるじゃない。」・・・

  

50m水中ウォーキングをしました。

 

全員揃って整列しました。

 

唯コーチ「さて、次は少しレベルをあげます。泳法は、クロールです。」

60代大原さん「おっ!なんぞや?」

唯コーチ「プルブイ(小さいビート板)を各自、1個づつ持って持って太腿に挟みます。」

僕「ほうほう・・」

唯コーチ「次に両手のプル(手の掻き)だけで50mを、泳ぎます。」

糸川さん「ふんふん・・」

唯コーチ「次に右手にプルブイを持ち替え、左でプルとバタ足だけで50m泳ぎます。」

中野「おう!」

唯コーチ「50m泳いだら次はプルブイを左に持ち替えて右のプルとバタ足だけで50m 泳ぎます。」

60代大原さん「結構しんどそうなのぉ〜」

唯コーチ「次は両手でプルブイを持って、バタ足だけで50m泳ぎます。プルブイは、ビート板より浮力がないので顔が沈みやすいから、注意してくださいね!」

50代花田さん「ここでは、あまりしないですが、よくある練習方法ですよね。」

唯コーチ「次にプルブイを飛び込み台の横に各自置き、クロールで50m泳ぎます。」

50代白石さん「げげっ」

唯コーチ「2回繰り返します。200m泳いだら、今回は時間がないので、そこで終わりにします。」

50代白川さん「わしは、大丈夫よ。いつも、ビート板でやっとるからな。」

 

中級者水泳教室は、緩い教室なので、あまりこういった事は、しないので、みんなビビる人が多いです。

 

唯コーチ「1 人でやると、マイペースで出来ますが、団体でやると急かされるので、ペースが乱れるので、それなりに、みんなに合わせながらやってみてくださいね!」

僕「よし、やってみよ〜」

唯コーチ「手の動きや足の動きを意識しながら泳いでくださいね〜」

 

僕は、スタートしました。

右手に、プルブイ左手で掻きます。

足はキック。

後ろから中野、糸川さん、岬さんと続きます。

 

僕は、左右非対象なのか左に進む事が多いみたいです。

右呼吸しか出来ないから右手の入水位置がどうしても内側に入り、左に進んでしまうことが、わかりました。 

中野も、右の呼吸のみしか出来ず糸川さんは、左右どちらでも呼吸が出来る為か、真っ直ぐ進んでいました。

岬さんは、意外に右呼吸のみだが、入水位置がよく真っ直ぐ進んでいる。さすが!

黒田さんも右呼吸のみ、50代白川さんも右呼吸のみ、市松さんは左右とも出来ていた。

白石さんは、右呼吸のみ。

 

みんな癖があり、癖に対して手の入水位置を練習すれば真っ直ぐ進めるようです。

 

水泳はシビアで、少しのことで水の抵抗になり減速します。

少しの事で、タイムを縮めることが出来ます。

個人的には理屈は聞いて、あとは自分で泳ぎこまないと改善しにくいです。

 

要は、泳ぎ混んだ方が、早く改善でき泳いでいると中級者水泳教室で改善点に気づいてきます。

 

唯コーチ「では!今日も、ありがとうございました。これから梅雨に入りますが、気温差に気を付けて風邪を引かないようにして下さいね!また、次回もよろしくおねがいします!」

 

一同礼をします。

教室のレッスンが終わると、閉館21時まで自由時間になり各自、空いたレーンに移動して練習なりウォーキングなどをします。

 

60代藤田さん「あんら、ここのレーン使っていいから、私らあそこのレーン使うよ。」と言って60代の藤田さんと井ノ神さんは別のレーンへ移動しました。

他の人も空いたレーンへ移動しました。

 

唯コーチ「岬さん、すみません。私は仕事が残ってて、また駐車場でね。先日言ったとおり、みんなで喫茶店に行きますね。」

岬さん「はい、了解です。」と岬さんが言うと、唯コーチは、プールから上がって足早にスタッフルームに帰って行きました。

 

僕「唯コーチは、あとも忙しいみたいだよ。ここのスイミングクラブのスタッフだから契約上、教室以外は別の仕事しないといけないからね。」

岬さん「私達とは、違ってここで働いているから利用者と視点が違いますねぇ。」

中野「で、岬さんどうだった?中級者水泳教室は?」

岬さん「そうですね〜やっている内容は基本的な物が多くて、私もたまにやっていることでしたが 、唯コーチの教え方が、丁寧で周りの人達を喜ばせながら、みんなの事を考えたプログラムで勉強になりました。」「私はわりと、自分中心的だから為になりました。」

僕「唯コーチは実績もあって教えるのも上手だからチームのコーチ役になってるよ。」

岬さん「海さんいい人材を見つけましたね〜」

僕「僕はすごく感謝しているよ。ほんとは選手には、もうならないって言っていたのに、僕達のチームを見てやってみる言ってくれたよ。」

岬さん「海さんがいたからかも、しれませんね。」

僕「え??」 

 

中野「はっはっ!で、唯コーチは俺達が練習をしているところを見て、スイミングクラブのレッスンが終わったあと、他の仕事を置いてコーチしてくれてたんだけど、さすがに仕事中だからね〜」

僕「コーチ出来なくなってから、気になったのかな?チーム入りして、よそのプールでコーチしてくれるようになったよ。」

糸川さん「私もかなり水泳技術が上がりました。」

岬さん「さすがですね!みんなほんとに仲がいいです。私もチームで練習する時には、みんながやりやすいようなプログラムを考えてチームメンバーが、楽しく長く続けられるようにしてみたいです。」

僕「出来るといいね!」

糸川さん「私、岬さんが今日はレベルが合わなくて大丈夫なのかな?っておもっちゃいました。」

岬さん「内容は初歩的でしたが、基本的な事を練習するのは大事だと思いました。」

中野「俺も空手の基本は、いつも練習していたな。しかし、色んな人と練習するのはいいよな〜」

岬さん「年齢層が幅広くて、楽しかったです。」

僕「幅広い年齢層やレベルの人と練習するのは楽しいよ。応援もしてくれるしね!」

岬さん「楽しさというのは、大事な要素ですね。勝つことばかり考えていてはダメでした。」

僕「楽しさは、幸福度を上げてくれるよ。」

岬さん「幸福度ですね・・なんとなくわかる気がします。」

 

 

━スイミングクラブが閉館し僕達は駐車場に集まるのでした。

━僕と中野と糸川さんに唯コーチ、岬さん。

 

スイミングクラブの駐車場は、戸締り係の唯コーチが電灯を消した為、暗くなりました。

 

糸川さん「姉の嫁ぎ先が、喫茶店を経営しているから、そこで話しましょう。」 

中野「じゃあ、俺の車で行くぜ!」

僕「おー!」

糸川さん「お〜!」

唯コーチ「おー!」

元気に返事します。

岬さんは、笑いながら「よろしくお願いします。」と言い全員、中野の車に乗り込みます。

 

ここから3kmほど離れた駅前にある喫茶店「るるる」に、中野の車で向かっています。

みんな初めて行く喫茶店

・・・そして・・・

糸川陽子さんが凄い家の娘だと言う事に、みんな驚くのでした。

 

喫茶店「るるる」にて、僕達はトライアスロン優勝者の岬智子さんを、交えて次の大会出場について話をするのでした。

つづく・・・

 

 

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