フルマラソン大会のレースレポート no.85
今回で何度も参加している、都市部のフルマラソンです。
かつてはトライアスロンの練習を兼て、仲間たちと参加していました。
数ある競技の中でも、フルマラソンが一番きついと感じます。
僕が出場しているトライアスロンの最長距離は51.5kmですが、それよりも42.195kmを走り続ける方が、より限界に近い状態になることが多いです。(過去には、雨のトライアスロン大会でかなり過酷なレースもありました)
さて、今回は恒例となった大会のレポートです。
今年は初めて前日受付を利用したのですが、これが結果的にすごく快適でした。
いつもなら、当日の朝に現地入りして駐車場を探し、会場での受付を済ませ、着替え場所へ移動してゼッケンを付け、荷物を預けてからアップ、トイレ、そして整列…と、スタートまでの工程が非常に多かったです。
しかし今年は、前日に受付を済ませ、自宅でゼッケンを装着。
当日はウェアを着たまま(もちろん上着は羽織って)出発し、駐車場を探して会場入り。外で上着を脱ぐだけで準備が完了しました。
アップとトイレを済ませて整列場所へ向かうだけ、という手軽さです。
僕はトイレが近くなりがちなのですが、今回はエイドステーションで少しずつ水分補給をする、という方法を試すことにしました。
整列していると、見知らぬ男性から「いかにも速そうなウェアですね」と話しかけられました。
僕の場合、トライアスロンが本番なので、マラソンにはあり合わせの練習用ウェアを着ているだけだと伝えました。
その男性も以前トライアスロンをされていたそうですが、全く面識のない方でした。オープニングセレモニーが始まっても話が続き、少し集中したかったので、そっと距離を置かせてもらいました。
今回のウェアは、いつものCW-Xの白のタンクトップに、寒さ対策で青のタンクトップを重ね着。
下はasicsのオーダーコンポで作った水色のショートタイツを合わせました。
白と青の組み合わせが多いのは、僕が明るい色を好むからです。いつも直感でウェアを選びますが、黒を選ぶことはほとんどありません。
靴下はR×Lの5本指ソックス、シューズは慣らしが少し不安なアシックスのS4です。
自分の価値観に合ったものを選ぶと、人生の満足度が上がると科学的にも言われているそうです。こういったギア選びも、その一つかもしれません。
僕はすぐに体が熱くなるのでタンクトップ、そして腰痛対策と寒さ対策、何より好みでショートタイツ。最近のマラソンでは、このスタイルが定番です。
この大会は参加者が多いので、様々な格好の人がいて目立たないのも良いところです。
さて、オープニングセレモニーも終わり、いよいよスタートの時が迫ります。
今年は異常に気温が低く感じましたが、羽織っていた風除けのポンチョを脱ぎました。
スタート前にはゲストのオリンピックメダリストの方がいて、場を盛り上げてくれます。
少しずつ体を動かし、本番に備えます。
ついにスタート!
今回はCブロックからのスタートなので、昨年より少し前方です。
約1分30秒でスタートラインを通過しました。
序盤は焦ってはいけないと分かっていても、自然と人の間を縫って前に出てしまいます。
オープニングセレモニー中に体を冷やしてしまったので、昨年と同じく2km地点のトイレに行くことを見越し、少し時間を稼いでおきます。
計画通り2km地点でトイレへ。今回は少し待ち時間があり、3分ほどのロスになりました。
気を取り直してコースに復帰し、前を追いかけます。
5km地点を25分で通過。トイレの時間を除けば22分。少し早すぎるペースかもしれません。
やはり手元でペースを確認できるGPSウォッチが欲しくなります。
沿道には本当にたくさんの人が応援に来てくれています。
トライアスロンと比べて、この応援の多さがマラソン大会の大きな魅力です。
さて、コース名物の上り坂が見えてきました。この大会で一番厳しいセクションです。
ここでは無理をせず、ペースを落としてゆっくりと登ります。他のランナーに抜かれていきますが、気にしません。
頂上を越えれば、緩やかな下りが待っています。
ここで少しだけスピードを意識的にアップさせ、マイペースな走りに戻します。
今回は、有名なピッチ走法をイメージしながら走りました。この辺りでは、抜かれるよりも抜く方が多く、良い感触です。
10km地点を48分で通過。昨年より少し早いペースです。体はまだまだ大丈夫。
知り合いのトライアスロン仲間が、大きな声で応援してくれています。
みんな元気そうで、こちらまで力をもらえました。「また来年も走ろうかな」という気持ちが湧いてきます。
さらに、自転車でボランティアをしていた知り合いに会い、挨拶を交わす余裕もまだありました。
そして、僕の長年のライバルが沿道で応援してくれていて、声をかけてくれました。
今回、選手として出場している知り合いもいるのですが、レース中に会うのはなかなか難しいものですね。
15km地点を1時間10分で通過。ペースは順調です。
ここまでのラップは、
5km: 22分
10km: 22分
15km: 23分
という理想的な展開。しかし、ここからが本番。いつも20km過ぎからペースが落ちてきます。
自分のペースを維持して走り続けます。
asicsのS4は、メタスピードシリーズに比べると、やはりピッチは上がりにくい印象です。まだ30kmほどしか履き慣らしていないせいか、クッションも硬く感じます。
20kmに近づくと、後ろから男性に声をかけられました。
サングラスをしていたので顔はよく見えませんでしたが、全く知らない人です。よくある人違いでしょう。今日はやたらと声をかけられます。スタート時の男性とは体格が違うので、やはり別人でした。
20km地点を1時間33分で通過。ラップは23分。
この辺りから、意識的にペースを落としたため、かなり抜かれ始めました。
そういえば、以前に「鳥取」とゼッケンに書かれたタンクトップ姿の女性ランナーが、名物のタルトをエイドで取って僕の後ろに下がりましたが、この辺りで颯爽と抜き去って行きました。
自分が3時間30分を切っていた頃は、本当に速かったんだなと改めて思います。
当時は競技レベルの高いトライアスリート達と交流があり、練習量も相当なものでした。
ハーフ地点(21.0975km)を1時間40分で通過。
昨年より速いペースで、まだ余力もあります。良い展開ですが、自己ベストは狙えません。
地元の祭囃子が聞こえる辺りを過ぎると、長い直線と折り返しコースに入ります。
少しの上りが地味に体力を奪います。いつもこの辺りから足に疲労が来るので、ペースを落としました。かなり抜かれていきますが、気にしません。
折り返して25km地点を2時間ちょうどで通過。
ラップは25分。予想通りペースは落ちましたが、まだ想定の範囲内です。
直線コースの反対側を走る、サブ3.5(3時間30分切り)のペースランナーが見えました。
昨年と同じか、少し速いくらいのペースで進めているようです。
大きな道路に出ると、さらに多くのランナーに抜かれていきます。
「みんなすごいな」と思いながら、自分のペースを守ります。自分が好調だった頃を思うと、マラソンの奥深さを感じずにはいられません。
そして30km地点を通過。
補給食のジェルは、10km、15km、20km、25km、そしてこの30kmで最後の摂取です。
目標のサブ4(4時間切り)まで、あと1時間30分。足を止めさえしなければ、十分に達成できる時間です。
この辺りから、再び上り坂が始まります。
周りに惑わされず、マイペースを貫きます。
先ほど応援してくれた仲間が、今度はみかんを配っていました。
一つ頂きましたが、走りながら食べるのは大変なので、少しだけ口に含みました。今年の応援は本当にすごいです。
35kmまでが、本当に長く感じます。さすがにスピードが落ちてきました。
数回、足が攣りそうになりましたが、なんとか持ち堪え、止まることなく走り続けています。
35km地点を2時間56分で通過。ラップは26分。落ちてはきましたが、まだ大丈夫。
そして、コース最後の、一番きつい坂がやってきました。
かなりゆっくりと、一歩一歩登ります。
やっとの思いで頂上にたどり着き、下り坂へ。
少しスピードを上げたかったのですが、昨年ほどは上げられません。だいぶ足にきています。
下り終え、ついに市街地へ戻ってきました。
36kmを通過。足は限界に近いですが、とにかく足を止めないことだけを考えます。
給水は計画通り、少しずつ摂取できています。asicsのS4の衝撃吸収が、ここにきて硬く感じます。
37km、ついに足が限界を迎え、歩いてしまいました。
脱水症状かもしれません。
歩いては走り、走っては歩くの繰り返し。本当にきつい。
いつもこの辺りは苦しいですが、昨年は最後まで走り切れました。序盤が少し速かったのが、ここにきて響いたのかもしれません。
あと5kmが、とてつもなく遠く感じます。
38kmも、やっとの思いで通過。ラップはkm7分か、それ以上かかっている感覚です。
ついに39km。
沿道の高校生が、歩いている僕を見て「行けー!あと少し!」と叫んでくれました。
その声に背中を押され、我慢できずにペースを上げて走り出しました。
これまでで一番きついフルマラソンかもしれません。
初マラソンの時もきつかったですが、あの時は歩かなかった。そう考えると、今回が一番過酷なレースになりました。
40km地点を3時間34分で通過。ラップは35分。歩いてしまったので当然です。
あと2km。
高校生の応援のおげで、歩いては全力で走り出す、ということを繰り返せました。
もう100m走るのがやっとの状態です。足がジンジンと痛み、全く回りません。ハンガーノックに近い状態です。
41km地点を通過。
よし、あと1km!橋を渡れば、残り200mは全力ダッシュだ!
と、いつもなら思うのですが、体が言うことを聞きません。
それでも、高校生の「行けー!あと少し!」の声が聞こえると、走り出さずにはいられません。
走り出すと「おっしゃー!」とさらに大きな声援をくれます。
あの声援がなければ、本当に走れなかった。
最後の橋まで、なんとかペースを上げて走ります。本当にきつい。
橋を渡り切ったところで、一度歩いてしまいました。
42km地点の表示が見えたので、再び走り出します。
ようやく42km地点を通過。あと200m。
最後の全力ダッシュ!とはいきませんでしたが、ゴールが見えてきました。
応援に来てくれている仲間を探しますが、見つかりません。
すると、横から声が聞こえ、ようやく見つけることができました。
ありったけの力を振り絞って、ゴールへ!
そして、いつも通り、コースに一礼。
ゴール後は、昨年は喜びの跳躍ができたのに、今年はそんな余裕は全くありませんでした。
今年は本当にきつかったです。
来年出場するかは、また考えます。
練習時間を確保するのは、家族との時間を調整する必要もあり、簡単なことではありません。
自分の価値観と向き合いながら、また来年チャレンジするかどうか決めたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
次回もよろしくお願いします。
