オープンウォータースイミング出場 no.56

今回は先月、出場したとある海辺でのオープンウォータースイム大会についてのレポートを書きます。
受付開始は朝の8時30分から。現地までは高速道路を使って2時間30分ほどかかるので、早朝に出発しました。結構なドライブです。
初めて訪れる場所だったので、駐車場がどこか分からず少し戸惑いましたが、会場のすぐ近くに大きなパーキングエリアがあったので、そこに車を停めて歩いて向かうことにしました。
海水浴客や僕と同じように大会に出場する人たちも同じ場所に停めていたようで、皆でぞろぞろとビーチへ向かうと、なんだかワクワクしてきます。
200mほど歩くと視界が開けて美しいビーチが広がり、さらに進むと大会会場の青い垂れ幕が見えてきました。
会場は松林がとても綺麗な場所で、木陰には参加者たちが思い思いにテントを張り、レース前の時間を過ごしています。僕も日よけのパラソルを持ってきたのですが、1年ぶりに引っ張り出してきたせいか、なんと固定する台座を忘れてきてしまいました…。仕方がないので、持参したレジャーシートを敷いて、ささっと準備完了です。
今回出場したオープンウォータースイムは、国内の協会が主催している大会です。参加者は300人程度だったでしょうか、アットホームな雰囲気を感じました。
受付に着くと、当日受付の人が圧倒的に多く、長い列ができていました。受付が終わるまでに30分もかかってしまい、ちょっと焦りましたね。OWSの大会では、当日受付が混雑することがよくあります。もし可能であれば前日受付を済ませるか、当日は時間にかなり余裕を持って行動するのが、落ち着いてレースに臨むためのコツかもしれません。
時間も迫っていたので、僕はTシャツの下に水着を着た状態で受付を済ませました。周りを見ても、同じように水着姿にTシャツを羽織っている人がほとんど。トライアスロン用のスーツを着ている人も数名いました。初めて参加する方は、水着の上からサッと羽織れるパーカーやTシャツがあると、受付や待ち時間に体温を調節できて便利ですよ。
この日は朝から快晴で、受付を終える頃には気温も30℃近くまで上がっていました。海は比較的穏やかでしたが、それでも少し波があり、今日のレースが簡単ではないことを予感させます。
実は、僕の手元には事前に送られてくるはずの資料が届いておらず、自己健康チェックや誓約書のサインも全て現地で行いました。こういう不測の事態も、まあイベントの醍醐味ですかね。
受付を終えると、腕にマジックでナンバーを書いてもらいます。これぞレース本番という感じで、気持ちが引き締まります。
すでに開会式の時間は過ぎていましたが、受付の混雑を考慮して、海に入ってのアップ時間はしっかり確保するとのアナウンスがあり、少しホッとしました。
全員の受付が終わるのを待つ間、僕はレジャーシートの上で念入りにストレッチをしました。体が硬い自覚があるので、こういう時間は大切です。
周りの選手の皆さんの装備を眺めるのも、大会の楽しみの一つです。
女性はハーフパンツ丈の競泳水着の方が多く、中にはキリッとしたハイレグタイプの方も数名。男性はハーフスパッツ型とボックス型がほとんどでしたが、ビキニ型の競泳水着を穿いている方もいて、水泳単体の大会ならではの光景だなと感じました。
トライアスロンの大会に比べると、水着の自由度はかなり高いように思います。一番自由度があるのは、やっぱりマラソンかな。
水温が高いためウェットスーツの着用も可能でしたが、その場合は順位の対象外になるというルールでした。着用している人もいましたが、ほとんどの選手が水着だけで泳ぐようです。
僕も水着だけで泳ぎますが、トライアスロンの場合は必ずウェットスーツを着ます。浮力があって体を冷やさないだけでなく、スタート直後の混戦(バトルと呼ばれます)で他の選手と接触しても体を守ってくれる安心感がありますからね。
とにかく、オープンウォータースイムは時に危険も伴うスポーツ。安全第一で、自分の力を過信せずに楽しむことが何よりも大切です。
いよいよレーススタート!
15分ほどの待機時間の後、集合の合図がかかりました。いよいよ500mと1kmのレースが始まります。
集合してコースの説明を受けますが、正直なところ、今ひとつ頭に入ってきません…。どうやら海底の状況が例年と少し違うらしく、コースも一部変更があったようです。OWSでは、ブイの色や形、どちら側を回るのかなど、コースの重要ポイントは説明を聞くだけでなく、スタート前に必ず自分の目で確認しておくことが大切です。
説明の中でも特に強調されていたのは、安全について。「トライアスロンのスイムパートでも死亡事故は起きています。少しでも『ダメだ』と思ったら、棄権する勇気を持ってください」という言葉が心に残りました。
僕もこれまで、トライアスロンやOWSで何度も「水は怖い」と感じる瞬間を経験してきました。だからこそ、絶対に無茶はしないと心に決めています。「今日は無理をしない」と決断できることも、長くスポーツを楽しむための重要なスキルだと思います。
さて、いよいよスタートです。スタート方法は、浜から走って入水するか、あらかじめ水に入っておくかを選べます。僕は腰まで水に浸かり、集団の真ん中あたり、少しイン側に位置を取りました。
今日はどうも体調が万全ではないので、飛ばすつもりは全くありません。むしろ、周りの選手と少し距離をとり、確実に完泳することだけを考えていました。
「よーい!・・・・・」
「パァーン!」
号砲と共に、レースがスタートしました!
500mと1kmの参加者はそれほど多くなかったため、スタート直後の激しい混戦はなく、スムーズに泳ぎだすことができました。
最初のブイを左に曲がるのは、難なくクリア。しかし、ここで問題が発生しました。僕のクロールは右側で呼吸するのが基本なのですが、ちょうど右側から波が来ていたため、何度も海水を飲んでしまったのです。
前が見えなくても慌てませんでしたが、体調が優れないせいか、息が苦しい…。
危ないと感じたら、すぐに得意の平泳ぎに切り替えます。OWSにおいて、平泳ぎは非常に有効なスキルです。前方のコースを確認したり、呼吸を確保したり、乱れた心拍数を落ち着かせたりと、まさに「お守り」のような存在。特にパニックになりそうな時に冷静さを取り戻すのに役立ちます。
しかし、今回は平泳ぎを多用したため、かなりペースが落ちてしまったなと感じました。でも、確実にゴールするためには必要な判断です。
次のブイまでが、かなり遠く感じます。呼吸するたびに波が顔にかかり、また数回水を飲んでしまいました。今シーズンは海での練習が不足していたせいか、波のある海がとても泳ぎにくく感じます。潮流や波の影響で、気づかぬうちにコースから外れてしまうことも。こまめにヘッドアップして目標物(ブイや陸の目印)を確認しながら泳ぐのが、結果的にタイムロスを防ぐコツですね。
なんとかブイにたどり着きましたが、集団からはかなり離されてしまいました。コースを蛇行してしまったので、進路を修正しながら進みます。
ブイを右に回る時も、波が高くて一苦労。普段ならクロールで回り切るところですが、息が上がってしまい、ここでも平泳ぎで慎重にクリアしました。
次の直線コースに入ると、今度は波が左側から来るようになりました。右呼吸の僕にとっては、これはラッキー!呼吸がしやすくなります。
それでも一度上がった息はなかなか安定せず、クロールで泳いでは波を避け、また呼吸を整える、という繰り返し。この時点で、かなり後方の順位になっていることが分かりました。ほぼ最後尾です。
なんとか次のブイを落ち着いてクロールで回り切りました。このあたりでは周りに選手も少なく、自分のペースで楽にブイを回ることができました。
後方を見ると、赤いスイムキャップの年配の女性が2人、そして僕の後ろには青いキャップの男性がいます。赤は500mの選手、青は僕と同じ1kmの選手です。
赤いキャップの女性たちは、そのままゴールへ向かっていきます。青いキャップの男性は、僕の後ろをぴったりとついてきています。
次のブイをUターンするように右に曲がり、2周目に入ります。周りには、ほとんど誰もいません。
2周目に入ると、またしても右側から波がやってきます。ここで再び海水を数回飲んでしまい、呼吸がかなり苦しくなって平泳ぎを多用することに。
右側3mほど先にも男性が一人いて、彼も平泳ぎをしています。かなりキツそうです。僕もクロールと平泳ぎを繰り返しながら、なんとか前に進みますが、呼吸が安定せず、その男性にも少しずつ離されてしまいました。
水の流れに押されてコースからもずれてしまい、何度も進路を修正します。
ようやく2周目のブイが見えてきました。先ほどまで近くにいた男性と一緒にブイを回る形になり、ここから最後の直線コースです。
しかし、クロールに切り替えたものの、息が上がって過呼吸気味になってしまいました。結局、また平泳ぎに頼ってしまい、男性はさらに先へ行ってしまいました。
後ろを見ても、ほとんど選手の姿は見えません。「もしかして、僕が最後尾かも…」と思いました。かなりゆっくり泳ぎましたからね。
順位は気にせず完泳が目的とはいえ、このレースはかなりズタボロだな、と感じました。トライアスロンの練習を兼ねての出場なので、「まあ、いい経験になったか」と思うことにします。
でも、ある年代の節目となる記念の大会だったので、せめて真ん中くらいの順位で終わりたかったな、という気持ちも正直ありました。
やっとのことで最後の折り返しブイに差し掛かります。先に行った男性は、もうブイを曲がって最後の直線に入っています。
僕もブイを右に曲がり、最後の直線へ。
ここからはゴール地点の浜辺に向かって泳げばいいので、目標が分かりやすくなります。不思議なもので、ゴールが見えると呼吸も安定してきました。
ここからが本番だ!とばかりに、クロールに切り替え、キックも力強い6ビートにチェンジ。まるでプールで泳ぐ時のように、一気にスピードを上げていきました。
目標は、前方を泳ぐ男性です。
しばらく泳いでいくと、その男性との距離がぐんぐん縮まっていくのが分かりました。「これは追いつけるかもしれない!」
僕のバタ足は、うちの子供の力強いキックを真似しているのですが、これが結構効きます。どんどん差が詰まっていきます。
途中で少し息が上がってしまいましたが、コースを修正しながら、再び6ビートクロールで男性を追いかけます。
ついに男性が浜に足をつき、ゴールゲートに向かって歩き始めました。僕も水中で足元に砂が見えてきたので、思い切り立ち上がります。
海でのスイムは三半規管が揺さぶられるため、急に陸に上がると平衡感覚が乱れて体がふらつきます。トライアスロンのように、この後すぐにバイクやランに移る場合は、この感覚に慣れておくことも重要ですね。
ついトライアスロンの癖でゴールまで走ってしまいましたが、前方の男性がゴールし、そのすぐ後ろを僕が駆け抜けました。
ゴール手前で、妻と子供たちが「お父さーん!」と声をかけてくれたのが、何より嬉しかったです。
スタッフの方から水をもらい、一息つきます。(参加費7,000円で、もらえるのが水ボトル1本というのは、少し寂しい気もしましたが…)
すぐにスマホでリザルトを確認すると、前の選手とのタイム差は、わずか5秒。ゴール前、かなり追い上げていたようです。もう少し距離があれば、抜けていたかもしれませんね(もちろん、完泳が目的ですが!)。
結果は、ほぼ最後の方で、少し残念な気持ちもありました。気にしていないつもりでも、やっぱりもう少し真ん中あたりが良かったな、と。まあ、仕方がないですね。
家族の元へ戻り、ゆっくり水分補給しながらレースを振り返ります。
今回のOWSは、トライアスロンのスイムにおける課題をたくさん浮き彫りにしてくれました。
特に一番の問題は、レース中に過呼吸気味になったこと。これは、もともと体が硬かったことに加え、体調が万全でなかったことが原因だと思います。レース前のウォームアップ不足や、普段と違う環境での緊張が重なると、体は無意識に硬直しやすくなります。特に水が冷たいと筋肉が収縮し、呼吸も浅くなりがちです。十分なストレッチはもちろん、スタート前に少し海に入って水温に慣れておくだけでも、体はかなり楽になりますよ。
また、体の不調の原因として、メンタル面も大きいと感じています。睡眠不足が続くと腰痛や肩こりが出やすくなるというデータもあるように、心と体は繋がっています。質の良い睡眠は、身体的な回復だけでなく、精神的な安定にも不可欠です。レース前は興奮して寝付けないこともありますが、数日前から生活リズムを整え、リラックスできる環境を作ることが、当日のパフォーマンスに大きく影響するのだと改めて感じました。
久しぶりにOWSの大会に出場しましたが、トライアスロンと比べると、やはり水着の自由度が高いのが面白いですね。トライアスロンは黒を基調とした機能的なスーツを着ている方がほとんどなので、もう少し華やかさや個性を出せる自由度があってもいいのにな、と個人的には思っています。
この節目のレースは、課題も多く残りましたが、次につながる貴重な経験となりました。
水泳、自転車、ランニングと続けてきて、「自分にとって本当に得意な競技って何だろう?才能って何だろう?」と、色々なことに挑戦しながら、これからも考え続けていきたいと思っています。
最近、才能に関する本を読んでいて、とても興味深いです。皆さんも機会があれば、ぜひ読んでみてくださいね!
最後まで読んでくれて、ありがとうございました。

天才性が見つかる 才能の地図 (きずな出版)