23.人は自然に触れるとアイデアが湧く

※この話は、実話をもとにしたフィクションであり、全てにおいてオリジナルな世界観になっています。

よろしくお願いします。

 

 

   ━━数日後━━━━

 

スイミンググラブにて━━ 

6月です。

 

 今日は、唯コーチの中級者水泳教室です。

 

夜20時から始まり、20時40分に、終了する教室です。 

 

参加者は、僕と中野に糸川さん、工務店経営者、社長の黒田さん、50代女性の花田さん、60代藤田に60代井ノ神さんです。

 

今日は、4泳法のレッスンをしていて、最後の10分間は、バタフライ50m、背泳ぎ50m、平泳ぎ50m、クロール50mを泳ぎ、各50mごとに休憩を挟みながら泳いでいきます。

 

休憩が多いのは、レッスンの年齢層が幅広く、高齢の人もいるので、全員が均等に、泳ぎげるように休憩を沢山入れています。

 

成人コースは今日も、まったりとしていました。 

 

唯コーチ「はい!お疲れさまです!」と、手を上げて元気に言います。

唯コーチ「では、最後に1周歩いて終わりにしますね。」と言い、全員レーン50mを水中ウォーキングを始めます。

 

工務店社長・黒田さん「海くん達、蟹マスターズ水泳大会で蟹2匹も、もらったんだってね!凄いな!」

僕「ありがとうございます!」

中野「でも、みんなで食べないで、蟹もらった人が持って帰ったんですけどね。」

公務店社長・黒田さん「そりゃそうだ〜もらった人は、よかったね。」

50代花田さん「1位がいたって聞いたけど、凄いですねぇ〜」

糸川さん「1位は、唯コーチです。凄かったですよ。」

一同「おおっ!さすが・・」

唯コーチ「ありがとうございまーす!」と片手を高く上げて答えます。

 

60代井ノ神さん「ええねぇ〜若い子らは〜」

藤田さん「あんたら、若い時に色んなことしといたら、ええよ。私らの歳になったらなんも出来んよ。」

 

水中ウォーキングを25m折り返しました。

 

50代花田さん「でも、何だかうらやましいですねぇ〜私も、もう少し若かったらね〜」

公務店社長・黒田さん「花田さん、わりと興味ありそうだね!」

50代花田さん「いやいや、私にはとても・・・」

僕「でも、僕も大したレベルじゃなかったけど、大会出場してみると意外に活躍できた上に、知り合いが増えましたよ。」

中野「たまにスイミングクラブに練習に来てる岬さんも出ていて、仲良くなれたよ。」

50代花田さん「岬さんって?誰?」

糸川さん「ここのスイミングクラブで、たまに来てトライアスロンの練習をしている人ですよ。」

工務店社長・黒田さん「ああっあの子かぁ〜すらっとした子だね〜」「あの子は、トライアスロンの優勝経験が結構あるね〜」

糸川さん「蟹マスターズでも成績よかったですよ。」

公務店社長・黒田さん「さすがだね。岬さんって子」

僕「大会が終わってから、トライアスロンに誘われましたけどね」「考えておきますって答えました。」

工務店社長・黒田さん「んじゃあ、海くん達はトライアスロンにはチャレンジしないの?」

僕「いや〜僕は、足がつかないところは怖くて〜」

中野「俺も海は、経験はないけど、まあ海さんがやるならやってみようかな??とか考えてる。チーム次第かな?」

糸川さん「私も海は怖いですね・・・でも、チームのみんな次第かな?今まで凄くサポートしてくれたから。」

唯コーチ「私も海の経験はないですがチームの、みんなやるならやってみようかなって!」と手を上げて答えます。

公務店社長・黒田さん「3対1かぁ〜岬さんって子が誘ってくれたのが何かの縁かも知れないね!」

 

 

僕は、足が着かない海で泳ぐのは今まで考えられず、トライアスロンは拒否をしていました。

 

ちなみに、水泳も長水路50mプールだと深さが最大1.8mあり、僕は足が着きません。

短水路25mは深さが浅い為、足が着きます。

トライアスロンは、とにかく水泳が障害になってる人が僕の経験上は沢山いました。プールと海で泳ぐオープンウォーターでは、違いますから当然です。

 

 

━スイミングクラブが終って着替えて外に出ました━━━

 

 

駐車場にて4人が揃います━ 

唯コーチ「海さん、今度みんなの親睦会で、植物園の庭に行ってみませんか?」

僕「え?植物園?庭?なんで?」

唯コーチ「私、考え事する時に、よく行くんですけど、綺麗なところなので、そこで次の大会について考えましょう。」

糸川さん「あっいいね!」

中野「なんかデートみたいだな。俺は行っていいよ。」

僕「そうだね。食べるところばかりじゃなくて、自然に触れながら頭をクリアーにして次の大会のこと考えてみようか〜」

唯コーチ「決まり!じゃあ少し遠いけど槇原村植物園で、よろしくお願いします。」

僕「槇原植物園って、50km離れているところ?」

唯コーチ「そうですよ。考え事する時は、少し遠いところで、近くの人に合わないので、私はよく行ってました。」

中野「まあ、いいじゃん!」

僕「じゃあ、次の大会出場のために雑誌を持って行くね。そこにいろいろな大会情報が載ってるよ。」

中野「さすが、海さんだ次の事ちゃんと考えてる。」

糸川さん「じゃあまた、中野さん、車お願いします。」

中野「おっしゃ〜任せとけ〜」ということで僕達は、次の休みの日に、ここから50km離れている地域で有名な植物園の庭に行くことにしました。

 

 

   ━槇原植物園━

 (まきはらしょくぶつえん)

 

━ここは県内では有名な植物園。庭が綺麗です。珍しい植物もあります。

地元の人よりは、観光客の方が多いようです。

 

 今日は、メンバー全員が唯コーチの月曜日休日に、合わせて休みを取っています。

唯コーチの勤めているスイミングクラブは、月曜日が休館日です。

月曜日は固定休で、あと週1日は自分のスイミングクラブレッスンのない日が、休日となります。

週休2日制です。

 

 

 ━槇原植物園 屋外展望席━

 

ここは洋風な植物園で、屋外の庭にある少しだけ、小高い丘に木製で作ってある休憩所です。

疎らに歩いている人がいます。

丸太の椅子が5席のみあり、木でできたテラスになっています。

見渡すと植物園らしく花がたくさん咲いています。

 

糸川さん「わぁ〜ここは綺麗なところですね!」

見渡すと植物園らしく花畑になっています。

木製休憩所 唯コーチと僕

唯コーチ「洋風な花が、たくさんありますけど、やっぱり今からはアジサイですね。」

中野「俺は、あまり花には興味ない・・・」「・・が、ここはムチャクチャ綺麗だな!」「こんな、場所があるとは、ほんとに人との出会いは、面白いな。」

僕「僕は、こういった庭は、わりと好きだったりするよ。」

唯コーチ「海さん、好きですか?」と、ドキッとするような言い方をしてきました。

僕「僕は、仕事で高齢者を見てるから季節の草花の話をすることから、花は好きになったよ。」

唯コーチ「職業の関係で好きになったんですね!」

僕「あったぶん、もともと好きだったんだと思うよ。」「仕事で花好きなことが、発覚したみたい。」「しかし、静かな場所でいいね!」

唯コーチ「私も、こういうところは好きなんですよ。」

中野「好き好き好き好き好き好き好き好き好きと、聞いてたらこっちが恥ずかしくなるな。」

唯コーチが、少し恥ずかしそうにしてます。

 

糸川さん「でも、ここはゆっくり出来ていい場所ですよ。」

中野「そうだな。なんか気持ちもアップしそうだしなっ」

僕「そうそう、水泳雑誌なんだけど、持ってきたよ。」と、僕は木でできた椅子に腰を掛けて雑誌を見せた。

スイムキングという月刊誌で、ほとんどカラーで乗っている水泳誌です。

糸川さん「こういうのも、あるんですね。」

僕「蟹マスターズは取材なしかと思ってたら、少し記事があるよ。」

一同「へぇ〜」と言ってる中、僕は記事を、みんなに見せた。

 

糸川さん「あっこれ岬さんが飛び込んでいるところですね。」

中野「おっ!こっちは唯コーチだ!さすが!」と岬さんと唯コーチが飛び込んでいる写真が1つ載っていた。

僕「岬さんのコメントが載ってるよ。3位だけど注目選手だったんだね!」

記事には、歴史のある島の国トライアスロン大会優勝者の岬智子さん。トライアスロンのスイム1500mの、タイムを上げる為、蟹マスターズ最長距離700mに出場。

3位に終わったがレースは、素晴らしいものだった。

「この勢いのまま8月の、島の国トライアスロン大会に繋げたいです。」

僕「と、コメントしてるな。」

中野「さすが地元のトライアスロン優勝者だな。注目度が高いな。」

僕「石塚さんもコメントあるよ。」「今回は2位になりましたが、また練習をして1位を目指します。」「こちらは、周りの予想外で2位だったみたい。」

糸川さん「成人の水泳大会では、常連優勝者だったみたいですね。石塚さん。」「周りも2位だったのがビックリしたみたいですよ。」

僕「唯コーチも、コメントがあるよ。えーと・・」「・・チームみんなの応援で1位に、なれたと思います。私にとって最高の1位でした。良い勉強になりました。」「・・と、書いてあるよ。」

唯コーチ「私は、自分のチームが凄く仲間思いで、応援が凄く助けられたので、良かったと思いました。」「岬さんも、トライアスロンの選手なのに、凄く水泳が上手でしたね。」

僕「そうだね!岬さん上手だよね。唯コーチは、有名選手の石塚さんと岬さんを抑えての1位だから凄いよね。」

中野「チームの応援と好敵手か。モチベーションが上がるな。いい条件だ。俺も、今回のレースで燃えたけどな!」と、笑顔で答える。

 

木製で出来たテラス風の、この休憩所に4人は、丸太で出来た椅子に座って話していると、そよ風が吹き周りの草花がより一層、綺麗に見えました。

僕は、自然を満喫しながら話題を変えました。

 

僕「・・・で、水泳大会なんだけど、僕達の出られそうな大会ってなかなか、ないんだよね。」

中野「そうだな。でも今回みんな凄く頑張ったからな。」「練習以上の実力で俺は、みんなに感服したよ。」

僕「中野は、また凄かったな〜息継ぎなしバタフライで相手を玉砕して勝ったからな。さすがだよ。」

中野「いやぁ〜」「でも、みんなやれば出来ること証明できたな。」

糸川さんが、近くに咲いている洋風のアジサイを見つめながら言いました・・・

糸川さん「屋外の大会ってどうかな?」

唯コーチ「屋外ですか?」

中野「トライアスロンかな?」

糸川さん「それも含めてかな〜?何か競技ってないかな?」

中野「俺達は、水泳競技者だから水着着て泳ぐ競技か?」

糸川さん「やっぱり、トライアスロンですかね・・」

 

僕「そうだね・・他にアクアスロンって競技もあるよ。」

糸川さん「な・なんですか?そのアクアスロンって??」

僕「アクアスロンは、水泳とランニングの競技だよ。」

中野「トライアスロンの自転車がないバージョンってとこだな。」

 

糸川さんは、黒目を上に向けて想像しながら・・・

糸川さん「泳いで、そのまま水着で走るって感じですかね・・・」

中野「トライアスロンなんかは、ほとんどそうだな。」

唯コーチ「面白そうですけど、水着だけで外走るのは、少し恥ずかしいですね!」

僕「そうだね〜少し恥ずかしいね。」「でもトライアスロンの写真とか、島の国トライアスロン大会のテレビCM見ると、意外にカッコイイ感じだよ。」

中野「そうだな〜競技者として練習していて、鍛えていればカッコよく見えるしな。」

糸川さん「むしろ、水着で走れない人の方が体形に自信がなくて、不健康でカッコ悪いのかもしれませんね。」

唯コーチ「そうですね。私、水泳選手権大会に出ていた時は沢山、人が見てましたが、気にならなかったです。」「自信があったのかも、知れませんね。」

中野「唯コーチは、今でも体形は全然大丈夫だよな。」

唯コーチ「あ、ありがとうございます。」

僕「糸川さんも、チームに入る前に比べるとかなり絞れた感じだね。」

糸川さん「そ、そうなんです。私もビックリしてます。やっぱり楽しみながらスポーツすると体形も変わるんですね。」

中野「俺も、かつてはそうだったよ。空手もハードだったからな。水泳は、また別のハードさがあるけどね。」

 

 

唯コーチが、頭上にある洋風の大木を見ながら言います。

唯コーチ「そういえば・・・岬さんが、トライアスロンに誘ってくれましたね。」

僕「そう言えば。」

僕も大木を見ながら話す。

 

唯コーチ「何かの縁でしょうか・・今しか出来ない事の様な気がします。」

 

僕「そうだね。この先、結婚とかするとなかなか競技も出来ないだろうしね。」

中野「若いうちだと上位も狙えるかも知れないしな。」

糸川さん「私達のチームは、水泳から少し幅を広げていくと、また違う世界が待ってるのかも知れないね。」

 

唯コーチ「・・なんかやってみたくなってきちゃった〜」と唯コーチは手の平を見せながら話しました。

中野「そうだな。今回の蟹マスターズ水泳で、みんなやれば出来ることが、わかったしね!」

糸川さん「やれば出来るか〜」「そうですよね〜スポーツやったことない私が、泳ぎきったんですよね。やってやれたんですから。」

僕「やって、やれないことはない!っか。」

中野「そうだな。やる気があれば何事も出来るか。」 

  

僕は、トライアスロンへ初めて出場した時、この言葉が凄く心に刺さり好きでした。 

 

唯コーチ「そうですよね!私も現役離れて、あれだけ出来るとは、思いませんでした。」

糸川さん「唯コーチも、予想外だったんですね。」

唯コーチ「そうです。」と笑顔で話す。

 

中野「じゃあっ!みんな知らない世界に飛び込んでみましょっかー!リーダー!」 

 

僕「そうだね〜やって、やれないことはない!っか!」

中野「よっし!決まり!じゃあ、夢の島トライアスロンへ応募してみっか!」

糸川さん「海での水泳が問題ですけどね。」

唯コーチ「岬さんに聞いて見ますね。」

僕「取り敢えずよろしく!しかし海で水泳は、怖いな・・・」

唯コーチ「じつは、私もです。」

糸川さん「ポジティブな唯コーチが怖いって珍しいね。」

唯コーチ「でも、燃えてきます!」

中野「俺も、海は初めてだけどワクワクするよ。」

 

辺りには洋風の花畑があり、自然に触れながら、僕達は新しい未開の道へ進もうとするのでした。

僕達は、以後トライアスロン出場の為、準備を始めるのでした。

 

つづく・・・

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