37.植田さんの試作品 新型・流線形トライスーツ

※この物語に登場する組織やルールは架空のものであり、実在する組織とは無関係のフィクション作品です。

※この物語の舞台は、実世界におけるITUやJTUが存在しない、完全にオリジナルな異世界です。ここではトライアスロンは独自の歴史と発展を遂げ、従来の枠にとらわれない革新的な競技となりました。その結果、最高権威を持つ組織として誕生したのが「インフィニティ・トライアスロン・フェデレーション(ITF)」です。ITFは、自由な装備選択や革新的なルールを推進することで、選手たちが個性と戦略を存分に発揮できる環境を提供し、この世界におけるトライアスロン競技の基盤となっています。

ーーーーーーーーーーーーー登場人物ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

近江 海(おうみ うみ)      チームTRY RAXのリーダー。

中野 直也(なかの なおや)    元空手道全国大会優勝者。圧倒的な根性と瞬発力が売り。

糸川 陽子(いとかわ ようこ)   会社事務員。地道な練習を重ねる、努力の人。

速水 唯(はやみ ゆい)      元学生水泳全国大会優勝者。男性にも負けない伝説的な泳力を持つ。

植田 亮一(うえだ りょういち)  スポーツメーカー「ファルコンスポーツ」の技術者。不思議な科学者。

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主人公の海は「僕」とセリフ前に表記せず「海」と表記します。よろしく!

―――初秋の夕方。18時半頃、幾分か過ごしやすくなってきたある日のこと。

いつもの隣国海洋プールの入口前。

チーム「TRY RAX」のメンバーが続々と集まり始めていた。

今日の練習はスイム中心です。とはいえ、普段とはちょっと違うお楽しみがあるらしい。

植田「皆様〜お待たせ致しました〜!」

軽やかな堅苦しい声でやってきたのはファルコンスポーツの植田 亮一

七三分けした髪型に黒のスーツ姿、ビジネスマンめいた雰囲気で大きな布製バッグを抱えている。

中野 直也はグレーのラフなTシャツに太いジーンズ姿。かつて空手日本一だった中野は、私服でも筋肉がにじみ出る体格が目立っている。

中野「おう植田さん、今日は一体何を持ってきたんだい!?」と目を輝かせながら声をかけた。

植田「皆さん、こんばんは。実は、先日サイズを測らせていただいた”試作トライスーツ”が完成しまして・・今日、現物をお披露目しようと思いまして持ってきました。」

植田がにこやかに布製バッグをパンパンと叩く。「これは試作用なので完成品はまだ完成はしていないので色は全て黒です。」

糸川「うわぁ〜、ついに来ましたか!」と糸川 陽子が期待に満ちた目で笑う。彼女は白いブラウスに黒いスキニージーンズ姿でスポーツで鍛えた脚がスラリと映えています。

最後に到着したのは速水 唯コーチ近江 海です(チームリーダー)。

唯コーチは紺色のパーカーに水色のスキニージーンズを合わせたスポーティな服装です。僕、海は白Tシャツに青いスキニージーンズ姿で、肩からプール用のリュックを提げている。

海「お疲れ〜。植田さん、今日はあのトライスーツが見られるんだね?」

植田「はい! 皆さんの体型に合わせてバッチリ作ったんで、ぜひ試着して泳ぎを試してもらいたいです!」

植田「このトライスーツはテスト用ですが、皆さんに差し上げます。練習用として使ってください。ただしデーターはとりますけどね。」

植田「腰の部分にセンサーが内蔵されています。それでデーターを計測できます」

中野が両腕を組みながら「おっ?スパッツ型があるんだな・・確かにビキニ型より曲線が少ない感じだな・・・」と言うと・・・

植田「ええ、もちろん中野さん用のスパッツタイプも用意しました。ただし、2ピース型も作ってありますけどね。スパッツ型とハイカット型のデータ取りに使うので!」と笑う。「上半身はどちらもタンクトップになっていてフルスーツ型にはなっていません。はい」

中野「要するにスパッツとハイカットの対決か・・」

糸川「ふふ・・なんか面白そうですね。」

海「じゃあ、さっそく中に入ろうか?」と提案し、みんながうなずき、いつもの練習用プール「隣国海洋プール」 の自動ドアをくぐっていった。

更衣室の前のロビー。

そこには人だかりは少なく、平日の夕方だけに空いている。プールサイドへ行く前の待機スペースに、植田は持参したバッグをどさっと下ろしました。

植田「ハイ、では順番にお渡ししますね。」

植田が黒い生地のウェアを取り出し、メンバー1人ひとりに渡していく。

全員が受け取った“トライスーツ”は、全体に若干厚い生地で艶がありツルッとした表面で、肉眼ではわかりにくいが所々に曲線的なカットが施されいる感じだ。

1. 海(近江 海)

• 男性用2ピースのトライスーツ。

• 上半身はタンクトップが体にピッタリと密着し、裾は曲線を描くようにわずかに湾曲している。

• 下半身はビキニ型の競泳水着。脚ぐりまわりやウエスト部分が微妙に曲線カットされ、腹部は10センチほど露出するデザイン。

2. 中野 直也

• 上半身はTシャツ型で、肩から二の腕までを覆いながら肌に密着し、高機能スポーツウェアのようなフィット感を持つ。裾は短く、お腹が約5cm露出。下半身は膝上までのハーフスパッツ型で、動きを妨げない設計の2ピース仕様。素材は他と同じ。少し露出を抑えたデザイン。

• 基本的にこのトライスーツはタンクトップにビキニ型であるが、本人には「比較データ取り」として預けられる形になった。

3. 糸川 陽子

• 女性ワンピース型、タンクトップで腰下ハイレグ部分で一体化している。背中はOバックで競泳用水着とデザインはあまり変わらない。

• 露出は多いが、タンクトップとビキニラインのところに微妙な曲線が沢山、施されている。

4. 速水 唯(コーチ)

• 膝まで覆うスパッツ型のワンピース。いわゆるタンクトップ+ハーフスパッツで背中はOバックの競泳用水着とほとんど同じデザインである。

• 本来、唯コーチはビキニやハイレグを着慣れているが、今回は「糸川さんとの比較」のためにあえてタンクトップ+スパッツを着てもらうらしい。

5. 植田 亮一

• 自分用にも男性2ピースのビキニ型を用意しているが、今日はテスターがメイン。いちおう彼も試す気でいる。

渡された糸川さんは「うわ、よく見ると微妙に曲線がついているね。なんだか初めて見る感じね」などと、まだ半信半疑の様子です。黒一色だが、カットラインのおかげで独特の存在感がある。

植田「普通の競泳用スパッツとビキニに見えるけど、生地の組成と縫い方がまったく違います。曲線部分で生まれる渦の流れが推進力を生むという理論があるんですよ。はい」

糸川「渦巻きジェット効果でしたっけ・・・?」

植田「そうです! 大げさに言えば“ミニジェット噴射”を背負う形に近くなりますね。はい」

中野は興味津々「おもしれぇなあ。要はスパッツだろうがビキニだろうが、曲線が多い方が渦ができて加速するってことか。俺もタンクトップとビキニタイプでよかったな。」

植田「そうですべすね。“ビキニ型”と“ハイレグ型”の方が曲線をたくさん作れるため効果が高いと見込んでまして・・中野さんのTシャツ型にスパッツも同じ素材ですが、ちょっと勝負は分からないですよ」

中野「それも面白えな!じゃあ気合い入れて俺は泳がせてもらうぜ!」と挑戦的に言った!

海「では!いざ更衣室へ〜 今日は試作品でスイム練習だ〜!」

海「じゃ、着替えてプールに集合!」と僕が声をかけると、みんなはそれぞれ更衣室へ向かった。

男性更衣室では・・

海・中野・植田が離れてロッカーを使う。僕と中野はあんまり接近して使うのは窮屈だから嫌なのだ。植田さんも、なんとなくこの流れに合わせている。

まず海は、タンクトップ&ビキニ型トライスーツを手に取り、試しに広げてみた。

海「うわ、結構伸びるな・・・あとよく見ると微妙に曲線が多いカットになっているのがわかる。なんだかハイテク感があるな」

中野は、少々きついスパッツ型に足を通し、少しきつめのタンクトップを着る。

中野「思ったよりフィット感あるし生地も結構伸びるから意外に楽な着心地なぜ!腹筋は5cmほど見えるから見せるのにはちょうどよいかもしれん。おい、海さん! そっちはどうだ?」と腹筋が割れている中野が僕に言う。

海「まあ、待ってくれ。着替えてそっちに行くから・・・」と見えないところで着替える。

植田さんは自分用のタンクトップとビキニ型トライスーツに着替えながら「私は今日はサポートなんですが、軽く泳ぐ程度でデーターを取りますね。はい」と言う。

しばらくして、海はタンクトップ+ビキニ型の競泳用水着を着て中野のところに現れた。鏡の前で自分の姿を確認すると、着る前はタンクトップの曲線部分とビキニラインのところに微妙な小さい曲線カットが施されていたものの、実際に着ると生地が伸び、曲線が目立たず普通のタンクトップとビキニ型水着に見えた。上下のデザインは切り詰められており、タンクトップとビキニの間からは腹筋が約10cmほど覗いていた。

海は鏡を見ながら「思ってたよりカッコイイ感じだな」と、悪くないデザインだと感じた。

植田さんも中野と海の前に出てくる。海と同じタンプトップ+ビキニで腹筋は10cmでている。

中野「おっ植田さん結構、腹筋がしまっているじゃねーかー」びっくりした。

植田「私もランニングはしてますからね。しかしスイムは、ほぼ素人です。はい」

海「結構、走れるからね〜植田さん」

植田「それに素人がこのトライスーツを着るとどうなるかのデーターも取れます。はい」

中野「さすがやな〜植田さん。こりゃおもろくなってきたぜ!」と、中野が鏡の前で「おお〜強そうだぜ、俺様。ふっふっ!!」と筋肉をチェックしている。

海が「自画自賛かよ〜」とツッコむ。すると中野が「当たり前じゃん!」と返され、植田さんと3人で笑い合う。

女性更衣室では・・

糸川さんと唯コーチのほうは…

糸川「このトライスーツの特徴は曲線が多くあるのが特徴なんだね。よくみると水着の直線部分は直線ではなくて微妙に蛇行して曲線になってるね。面白い。」と言いながら、タンクトップ+ハイレグ一体型のワンピーストライスーツを広げて眺めていた。このトライスーツは見た目はハイレグ型の競泳用水着と差ほど変わらない。

唯コーチ「あまり違和感なく着れるね。」

糸川「私はレースの時以外はカットが浅い水着だから、ハイレグ型は久々に着る気がする・・」

腰まわりのカッティングが高くて、脚が長く見える形状だ。露出が増えるが、デザイン自体なかなかかっこいい。

唯コーチ「この曲線部分がポイントなのね。いいんじゃないかな?」と糸川さんのトライスーツを見て唯コーチが言う。

唯コーチ自身は膝丈のハーフスパッツ型を手に取り「私がハイカットじゃなくてスパッツなのはちょっと不思議な感じです。実験だからしょうがないか・・」と唯コーチはいつものハイカットの方がいい様子で微笑む。

普段、ハイレグを抵抗なく着る唯コーチにとっては珍しいスタイルだ。

着替え終わると、糸川はハイレグの脚ぐりが普段より高く「ちょっと恥ずかしいかも・・」と照れ笑いをしながら。「でもこの水着は意外に、かなりしっかりした作りですね〜」と感想を言う。

唯コーチはというと、上半身タンクトップ、下はスパッツのワンピース型トライスーツで膝上までピタッと貼り付き、動きやすさはあるが少し締め付けを感じる。

唯コーチ「うん、悪くないかも知れない・・ただ私が泳ぐと、どうなるか・・・泳ぎながら実験だね。よし!」と気合いをいれる。

5人がプールサイドに集まる。

黒を基調とした試作品トライスーツ姿の集団は、一見「チームのユニフォームか?」と思われるほど統一感がある。ただ、よく見るとデザインがそれぞれ違う。

:タンクトップ+ビキニ型(腹筋10cm露出)。曲線が多く、脚ぐりも浅めである。

中野:Tシャツ型、肩から二の腕までを覆い+膝上スパッツ型。腹筋5cm露出のツーピース。

糸川:タンクトップ+ハイレグカットのワンピース。腰まわりが高カット。脚が長く見える。

唯コーチ:タンクトップ+ハーフスパッツ一体型のワンピース。(膝上まで)。

植田:すぐ泳げるようタンクトップ+ビキニ型を着ている。意外にカッコよく着こなしている。プールサイドでデータ測定用にタブレットを手にしている。

糸川さんは、そわそわしながら「うわ〜ハイレグカットだけど意外にしっかりしたフィット感ありますね」と腰回りを撫でる。

中野「さてと、どれだけこの水着が効果があるかが楽しみだぜ〜!!」

海「そうだな〜これでレースに勝ったらほんと目立つなっ」

植田「なんせ、今の主流は半袖型にスパッツ型のトライスーツが主流ですからね〜はい!」3人でわいわいと盛り上がる。

中野「ところで植田さん。俺のはなんで腹が出てんだ?」

植田「中野さんそれは上半身のタンクトップと下半身のスパッツの間の直線部分の生地は微妙に曲線になってまして、その曲線部分に渦ができて推進力が増しすようになっています。沢山カットを作って曲線を作る為です。」

中野「要するに俺のウェアの直線に見える部分は直線ではなくて微妙に曲線になっていると言うことか?!」

植田「そうです。わりと中野さんのトライスーツもガチで作っています。」

唯コーチ「私達のは、お腹が見えてないんですね」

植田「女性用は背中が開いているところで沢山曲線を作っています。デザインで男女の違いを出したかったので、そのようにしました。」

中野「ほうほう比較の為にだな・・」とみんなの水着を見ていう。

中野「こうみるとトライスーツか水着かわからないな・・」

植田「これはトライスーツで水中だけ効果があるわけではなくて陸上での空気抵抗や空気でも曲線によって渦が巻き空気のジェット噴射が起こりバイク時やラン時での速度が増します。」「つまり水陸両用なのでトライスーツなのですが、まあ水着でも表現は大丈夫です。」

糸川「水着の分類に入りそうですね」

唯コーチ「まあ、どちらでも良いと言うことで・・・」

中野「ん〜こうみると確かにタンクトップとビキニ型の方が、もともと曲線が多い分、至る所で曲線が多くなるな」

植田「そうです。なのでハイレグとビキニのカットを選び試行錯誤してきました。

中野「おお!こりゃ〜面白ぇ〜〜」

さて・・・

唯コーチは「さあ、準備体操からね」と、いつものように右手を挙げて指示をします。

みんなで軽めのストレッチをしてから入水することにしました。

まずは25mプールで、軽く200mのアップ。全員がゆっくりしたペースで泳ぎ出す。

• 海(タンクトップ+ビキニ型):「お、意外と水の抵抗を感じないぞ・・・?」

• 中野(Tシャツ+スパッツ型):「おっ!俺のも水の抵抗を感じないぞ!?よく前に進む」

• 糸川(タンクトップ+ハイレグ型):「あっ?私のも水の抵抗感じないしすごくよく進む感じ・・」

• 唯コーチ(タンクトップ+ハーフスパッツ):「私はちょっと締め付け強めだけど、水の抵抗をあまり感じないしよく前に進みますね」とびっくりした様子。

プールサイドで植田がストップウォッチとタブレットを持ち、「スピードや浮力感、抵抗がどう変化するかしっかり見ますね〜はい」と真剣そのもの。

ウォーミングアップ後、唯コーチがプランを発表。

「じゃあ、テストも兼ねて50m×4本のインターバルで泳ぎましょうか。レストは30秒。ペースは自分の得意フォームでOK! その後25mスプリントもやってみたいな」

みんな「よーし、やってみよう!」

50m×4本インターバル

1本目

中野がバタフライでド派手に水しぶきを立てる。

中野「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」と空手張りに気合を入れるが後半バテてくる。

中野「うっ・・やはり息がきついぜ・・」と心の声。

一方で糸川さんは、マイペースにクロールをします。

糸川「あれ?普段より進んでる気がする」と驚く。

2本目

僕はビキニで生地が少なめだが、ほんとに浮力あるのか?と半信半疑で始めたが、思いのほか腰が沈まずスイスイ前に進む印象です。

唯コーチはバタ足を細かく打ち、身体を水平に保ちつつクロール。スパッツ型でもさすがのスピード。

唯コーチ「わたしはこれでも速いけど、ちょっとキックが重いかな?」と内心思う。

3本目

中野が限界を感じて平泳ぎに変更。

中野「このトライスーツ、おれには悪くないが、なんかビキニの方がもっと前に進むのか?」と脳裏をよぎる。

4本目

糸川さんが一気にクロールのピッチを上げた。

糸川「脚さばきがしやすい・・前によく進む・・・」と驚きつつ、予想以上に速いタイムでゴール。

プールサイドで海が・・

海「おお、糸川さんいつもよりかなり速いじゃん!」と目を丸くする。

糸川「えっ?ほんと?」と驚く糸川さん。

続いて、短距離の25mスプリントを1本だけやることになった。

さらに植田さんは「Tシャツ型とタンクトップ型+スパッツ型とビキニ・ハイレグ型の人を見比べてみたいので、合図で同時スタートしてみてください!はい」とお願いする。

みんなは、勢いよく壁に足をかけて・・・「ヨーイ!スタート!」で飛び込む。すると――。

糸川さんがぐんと伸び、思わぬハイペースで中野を追い抜く形になる。

中野は「ぐぬぬ・・・!」と唸るが追いつけない。

僕・・・海は唯コーチに並ぶどころか、最後の5mで一瞬差をつけた。唯コーチは少し息を飲む。

海「えっタンクトップ+ビキニなのに、この推進力とは!!」と想定外だったらしい。

結果:トップは、最後に維持の追い上げをした・・・やはり唯コーチ!。だが海との差はほんのわずか。でプールサイドで息が上がって横になっている・・・びっくりだ・・・

中野と糸川さんの勝負も、糸川が初めて中野を0.2秒程度リードする形になった。

中野「はぁはぁ・・・な、なんでタンクトップとハイレグの方が速いんだ〜??俺のもかなり速かったぞ!」と中野は少々ショックで声を落とす。

植田「やはり、カットラインが多いほうが渦が増えて推進力が生まれるのです。個人の技術でさらに変わってきます。はい」

唯コーチもプールサイドで横になったまま・・・

唯コーチ「素材は同じなのに、曲線カットが多い方が速くなるなんて・・・うーん」と考え込む。

唯コーチ「常識を覆したわ・・・」

糸川はプールサイドで・・

糸川「私、初めて中野さんをスプリントで抜いちゃった・・!夢みたい!」と大喜び。

中野は「ははは、おれはちょい疲れてただけだよっ! ・・・まあ糸川さん凄いな」と苦笑い。でもまんざらでもない様子で「タンクトップとハイレグってやるじゃないか」と変に納得している。

海「しかし凄いのはファルコンスポーツだよ。植田さんだね・・すごい!」

海はタンクトップとビキニ姿のままゴーグルをはずし、「この試作品・・・すごい性能だね。ちょっとビックリ」と息を整えつつ、胸を上下させる。

唯コーチが「ここまで差が出るとはね〜。なんだか私自身がスパッツ型で苦戦したけど凄い経験できました。」と笑っている。

インターバルとスプリントが終わり、軽く100mのクールダウンをして全員プールから上がってきた。

植田はタブレット片手に満面の笑み。

植田「皆さん、お疲れさまでした〜はい! 実験結果、想定以上に『タンクトップ+ビキニ型&ハイレグ型』の渦巻きジェット効果が大きい勝ったです。

スパッツ型は悪いわけじゃないんですが、曲線部分が少ないとどうしても推進に直結する渦量は減っちゃうんですね〜はい」

中野「なるほどなあ。まあ俺は普段スパッツ型だがビキニ型を着たらもっと速くなるってことか〜はい!」

植田「はい!データ上はそんな感じですね。うん、でも中野さん、空手スタイルのパワーもあるし、これから試行錯誤してみても面白いと思いますよ。はい」

中野「はい!そうだな・・今度タンクトップ+ビキニ型でテストしてみるぜ!」と、少し照れたように笑う。

中野「しかし俺はレース直前まではいつものスパッツ型を使って後でこのタンクトップ+ビキニ型の効果を実感したいな〜」

植田「それでもいいですね!」

糸川「私はタンプトップにハイレグ型で、すごく脚が動きやすかったです!しかも推進力がものすごかったです。スピードを上げるほどスピードが上がる感じでした。普段の泳力が上がるほどこのトライスーツ着ると速くなるわけですね。凄い!」

唯コーチは、スパッツの太腿を軽く叩きながら「うーん、まあこの“ヒザ下まで覆う感じ”って、普通のレースではアリなんだろうけど、このトライスーツに限ってはタンクトップにビキニやハイレグの方が速いんですね。うん、興味深いです。」

植田「ええ、皆さんには引き続き使ってもらい、いろんな泳法や距離で試していただきたいです。特にタンクトップとビキニ型・ハイレグ型が実戦レベルでも有利かを、もっと確かめたいですね!」

帰り支度を終えたころ。更衣室から出てきた僕たちは私服に着替え、プール玄関ロビーに集合していた。

最近は、スイミングクラブの練習が多かったが、今日は隣国海洋プールでの臨時テストだったので、しみじみと不思議な感慨がある。

中野「今日は妙に負けたぜ〜でも俺はめげないさ!」と腕をぐるぐる回しながら言う。

糸川「私、こんなに楽しく泳げたの久しぶりです〜」とニコニコして言う。

唯コーチ「水泳の概念がちょっと変わりです!スパッツが遅いとは言わないけど、この新しい水着は曲線多い方が有利だとわかりました。タンクトップ+ビキニカットとハイレグカットのデザインも今からはアリだな〜と思いました。」

植田「やはり、タンクトップにビキニ型やハイレグ型の方が“渦”が作りやすいんですよ。はい!いいデータが取れました!」と喜ぶ植田さん。

僕はリーダーとして・・

海「じゃあ、もう少ししたらこのスーツで実際のトライアスロンの練習、オープンウォータースイムでも試してみようか。ね、植田さん?」と声をかける。

植田「はい! ぜひ。チームの皆さんがOKなら私も参加しながらデーターを取りますよ。」

中野「おれはしばらく自分のスパッツ型水着で泳力を挙げてから試してみるよ。」といい「しかしこのトライスーツでトライアスロン勝ったら面白そうだぜ!」と口元をほころばせる。糸川がクスリと笑って「中野さんがんばってね!」と言う。

最後に唯コーチが、いつものコーチ然とした笑顔で言う。

唯コーチ「では、みんな次回の練習メニューも私が考えておくから楽しみにしててね。うちのチーム、更にこれで強くなっちゃうんじゃない?」と笑顔で言っている。

海「そうだな、チームTRY RAX・・・まだまだ進化し続けるんだ!」

5人は夜のプールの自動ドアを出て、駐車場へ向かう。

植田「そうそうこのトライスーツは新型・流線形トライスーツと名付けようと思います。はい」

中野「流線形トライスーツか・・なかなかビッタリじゃねーか」

海「面白そうですね〜」

糸川「良いですね〜」

唯コーチ「かっこいいですね〜」

ファルコンスポーツの試作品がもたらす衝撃は、想像以上に大きい。

“タンクトップ+ビキニ型とハイレグ型・・・流線形トライスーツ・・・こんなに速いスピードが出るなんて、みんな見たらびっくりするだろうな〜”という新たなアイテムを得てみんなやってやるぜ!と思いながら帰宅の途に着く・・・

そして・・これから、さらにドラマを生み出すだろう

そんな予感を抱かせながら、チームTRY RAXはとライスロン大会を目指すのであった・・・

つづく・・・


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